僕に踏まれた町と僕が踏まれた町/中島らも

買ったままで放置してあったので読んだ。
らもさんのエッセイは読みながら笑ってしまうような愉快な作品が多く読後感がすごく良い。
ちょっと落ち込んでる時に読むとすっきりできるので好きだ。
全200ページ程に沢山のエピソードがつまっているのだけれど、一番好きなのは
「顔でひく」ギターのなぞ
というものだ。
レッド・ツェッペリンジミ・ヘンドリックスくらいの年代のギタリストは、高音部でチョーキングをする際に
「いかにも苦しそうな、辛そうな苦悶の表情」
を浮かべているのだけれど、実際弾いてみると音程が高いから特に苦しいというわけでもないのに、
当時の人達は瀕死の形相になって、高音に「顔がついていって」しまっていた、という。
その場面を思い浮かべるだけでも腹筋崩壊ものなんだけれど、
自分が高校生の時に組んでいたバンドのベースの女の子が、
「苦手な部分を弾くときになると、必死になってしまいアヒル口でぱくぱくしてしまう癖」
があったことを思い出して二倍笑った。
今は何をしているやら。バンドの中で一番気が合わなかったので最近は全く連絡をとっていない。
ライブのDVDや音源もあるけれど、もう恥ずかし過ぎて見れないし、誰かに見せることもないだろう。