小雨降る土曜の午後

土曜日はいつも大体曇っていて午後からは雨が降ったり、夏は空気が湿っぽいイメージ。晴れてる日だってあるだろうに、わたしのなかの土曜日はすこし陰鬱な日だ。
思えば小学生のときに週休二日制が始まって、土曜日の半日授業がなくなったときから土曜日に対して明るいイメージが減った気がする。半日授業があったときの土曜日は、晴れていて雲ひとつない青空で、窓の外を眺めながらこんな日に教室にいたくないなあと思ったりしていた。半日の日は給食がないから、12時くらいになると生徒は一斉に家に帰る。おなかを空かせて帰るとご飯ができていた。土曜日のお昼はなぜかチャーハンか焼きうどんと、母親の中で相場が決まっていたらしく(おそらく残り物を一掃する為だが)ワイドショーを見ながら食事をした。その後宿題があったら少し手を付けてみたり、漫画を読んだり、図書館に行って本を読んだり好きなように過ごす。土曜の午後はお気に入りの時間で、その次に来る日曜は何をしていいかわからなかったのであまり好きではなかった。
週休二日になってからは、家にいるのがいやで仕方なく、家族と鉢合わせしないようにわざと昼頃まで布団にもぐりこんで、午後になってからこっそり遊びに行っていた。公園や、学校の校庭や友達の家にいるほうが自分の家にいるより幾分かマシに思えた。中学生になって本屋によく行くようになり、高校生になってからはバイトで土曜日を費やした。日曜日も同様だ。行動の自由度が増すにつれて、土曜日の不快さは薄れていったけれど、未だになんだか寂しげな、虚ろな日のように感じる。
月曜日は面倒で、火曜日も同じ、水曜日はお休みだから気分が晴れ晴れしている。木曜日は少しやる気があって、金曜日はがんばらなくちゃと思う。土曜日はお休みだけど用事があるから早起きしなくちゃいけなくてすこしだるい。日曜日は一週間が終わってしまって、次の日が仕事だから少し憂鬱。トータルでいえば多分水曜日が一番好きな日。
中学校、高校となぜか水曜日は授業が短いことが多く(4時間でお昼を食べた後帰宅できた)遊びに行ったり趣味の為に費やしたりしていた。だからなのだろうか、今でも水曜日はあまり働く気がせずずっとお休みにしている。私にとっての安息日は日曜ではなく水曜だ。週の真ん中を好きに過ごすことで、日頃の鬱憤が少し晴れている気がする。水曜日は家事も料理も思い切りこなせるし、布団だって干せる。晴れていればだけど。食料を買い込んだり、ポールダンスをしたり、その後誰かとご飯を食べに行ったっていい。自由な日。大事な日。
大事なお休みのために他の日をがんばって、安息日にはやりたいことしかやりたくない。そのために働いているんだ。今は特に。