連続

君といることは常に驚きと疲労の連続だ。
新しいことを知るとき僕の体はとても大きな労力が要るし君はそれを知らない。




例えば明日海に行こうと日曜日に告げられ、そんなことできっこないとうっかり「いいよ」と言って本当に連れて行かれた時の僕の心境を、パイプを使って君の口に流し込んでやりたい。ねえ本当に、腹立たしかったしそれの倍くらいあの時は楽しかった。


よからぬ事を考えてる時の君の横顔が、好きっていうわけじゃないんだけど、なんだか忘れられなくていつも隣にいようと思った。
チャンスがあれば垣間みれる。
実際のところ、いつもそんな表情でいたからあまり意味はなかった。
それに僕が隣にいると君は「なんだよ」とか言って極上の笑顔でこっちを向いてしまうから駄目なんだ。


そんな風に真っすぐな目で見つめられて黙っていられるわけが無い。


キスしたいとかそれ以上とか、もうそんな事も言ってられない程に胸が苦しくなった時に、唐突に君が入院したと聞いて僕は混乱した。
現実的な単語だった。
病院の受付で部屋の場所を聞いたりしている自分すら、古本を買ったら挟まっていた誰かの名刺くらいの遠い存在に思えてしまう。
カーテンに囲まれたベッドで呑気に寝ている君を座ってみていて何故だか泣けてきた。
別に命に別状がある病気なんかじゃない。ただこのシチュエイションに涙がでてきただけだった。
君と話したい/もっと君のことが知りたい。だから目覚めたらもっと自分のことを話してもいいだろうか。
嫌いな食べ物とか、好きな映画の台詞とかすごく陳腐なことばかりで恥ずかしいんだけど。
君が僕を見てどう思っているか知りたい。
だから寝てなんかいないで、こっちを見て。続けてほしい、同じ様に僕が言う言葉を。






連続させて、ねえ頷いてくれるだろうか。